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2023年3月22日

自社で雇用している特定技能外国人が失踪した場合、何かペナルティはありますか?

失踪の理由によっては、以後1年間又は5年間受け入れが不可になります。また、労働法・入管法違反がある場合には、罰則が科せられる可能性があります。

失踪の理由次第ですが、大きく分けて
①労働法
②入管法
の観点からのペナルティが考えられます。

①労働法
賃金未払い、不当な時間外労働、労災隠し等によって失踪が発生した場合には、
労働基準法・労働安全衛生法違反となり、対応した罰則が科せられます。

②入管法
失踪が特定技能所属機関(企業)の「責めに帰すべき事由」によるものであれば、
以後1年間は特定技能外国人を受け入れることが出来なくなります。

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出典元:特定技能外国人受入れに関する運用要領 55p

「責めに帰すべき事由」があるとは、
特定技能所属機関が、雇用条件どおりに賃金を適正に支払っていない場合や1号特定技能外国人支援計画を適正に実施していない場合など、法令違反や基準に適合しない行為が行われていた期間内に、特定技能外国人が行方不明となった場合をいいます。
そのような法令違反や基準に適合しない行為が行われていた場合には、人数に関係なく、特定技能外国人の行方不明者を1人でも発生させていれば、本基準に適合しないこととなります。
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また、下記に該当する場合には、5年間受け入れが出来なくなりますので、
十分注意が必要です。
例えば、賃金を一部支払わなかった場合には、当然労働基準法違反にもなりますが、下記の特定技能基準省令第2条4号リ(3)に該当することになり、5年間の受入が出来なくなります。
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出典元:
特定技能基準省令 第2条

イ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
ロ 次に掲げる規定又はこれらの規定に基づく命令の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
(1) 労働基準法第百十七条(船員職業安定法第八十九条第一項又は労働者派遣法第四十四条第一項の規定により適用される場合を含む。)、第百十八条第一項(労働基準法第六条及び第五十六条の規定に係る部分に限る。)、第百十九条(同法第十六条、第十七条、第十八条第一項及び第三十七条の規定に係る部分に限る。)及び第百二十条(同法第十八条第七項及び第二十三条から第二十七条までの規定に係る部分に限る。)の規定並びにこれらの規定に係る同法第百二十一条の規定

リ 特定技能雇用契約の締結の日前五年以内又はその締結の日以後に、次に掲げる行為その他の出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
(1) 外国人に対して暴行し、脅迫し又は監禁する行為
(2) 外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為
(3) 外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行為
(4) 外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為
(5) (1)から(4)までに掲げるもののほか、外国人の人権を著しく侵害する行為
(6) 省略


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なお、失踪した場合に行うべき手続きについては、下記をご参照ください。

関連記事:雇っている特定技能外国人が突然いなくなりました。失踪届等、行うべき入管上の手続きはありますか?

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